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キャリアディスカバリーフォーラム × 「あなたの研究の問い」で何が起こる?

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 キャリアディスカバリーフォーラムは「研究者の新たな活躍の場を発見する」をテーマに、研究者のチカラに期待を寄せる企業が集まる場です。2020年6月と12月にそれぞれ開催されたイベントでは、研究者が、自分のやりたい研究を、研究開発型のベンチャーや、新しい研究テーマの発掘を目指す大企業に直接ぶつける場を設けました。この場に参加することで、研究者にはどんな発見があったのでしょうか?イベントの参加者に話を聞いてみました。

 

腸内細菌と食の掛け算に、新たなアプローチを見つける

東京工業大学大学院 生命理工学院 修士1年 千葉 のどか (専門:生命科学, 腸内細菌)

子供の頃からアレルギー体質で、コンビニに入っても、自分だけ食べ物を自由に選べませんでした。もっと、人それぞれに合った食事を普段から選べたらいいのに。そう思い今は、人の体質に合った食を実現することを目指して、ヒト腸内細菌のゲノム解析の研究に励んでいます。自分が目指すことをベンチャーの方に伝えたところ、『人の腸内細菌の分析結果と、購買データとの相関をAIで探ることで、腸内細菌の傾向にあった食品開発に繋げる』という新しいアプローチが見えてきました。今は、そのベンチャーでインターンをしながら、新しい研究の実施に向けて動いています。

 

研究の考え方が産業と繋がる

横浜国立大学大学院 環境情報学府 博士後期課程1年 土田 裕介 (専門:電気化学, 計算化学)

エネルギーを作る電子間の相互作用に興味を持ち、今は、希少金属抽出の電析挙動を計算シミュレーションで予測する研究を行なっています。自分のキャリアの軸は、”好奇心を満たし続けること”です。それができる研究者として生き残るためには、自分の研究の幅を広げる新しいコンセプトを、たくさん知ることが有効だと考えています。計算化学では必ず系を規定して最適化を行います。その考えを農業のシステム化を行うベンチャーと突き合わせると、地球規模の系では各地域に最適な農産物を分けることが有効であるという仮説が生まれました。研究の考え方と産業が繋がる事例をたくさん発見できる場所は他にはありません。

 

環境と産業とを繋ぐ研究者としての可能性を見つける

神戸大学 人間発達環境学研究科 学術研究員 工藤 久志(専門:地球化学)

 学生時代から、惑星の起源や生命の起源を、宇宙や地球の環境試料の同位体比分析から探る地球化学の研究を続けて来ました。惑星の起源というと、ピュアな自然科学と受け取られがちですが、その探究の中からレアアースや、メタンハイドレートなどの産業応用可能な資源が発見されたことは、意外と知られていません。ベンチャーと議論する内、自分が大学で究めてきた研究が、遠隔地の環境を再現するビジネスや、農業資材の性能評価に活かされる可能性が見えてきました。これから、いくつかのベンチャーと継続して議論しながら、環境と産業とを繋ぐ研究者としての自分の生き方を探っていこうと思っています。

 

〜研究のフィールドを産業界に拡げる〜

キャリアディスカバリーフォーラムでは、研究者が研究開発型のベンチャーや大企業と議論することで、自分の研究がどのようにビジネスに繋がっていくのかわかります。研究のフィールドをアカデミアだけでなく産業界に拡げることができるようです。

自らの研究者としての問いと生き方の幅を拡げる場に、ぜひ、ご参加ください。

 

<キャリアディスカバリーフォーラム>
研究者が描く未来を、研究開発型の企業と議論し、研究者の新たな活躍の場を発見するキャリアイベントです。

キャリアディスカバリーフォーラム in 東京
日時:3月20日(土)13:00-17:00 場所:センターオブガレージ(東京都墨田区)

キャリアディスカバリーフォーラム in 神戸
日時:3月27日(土)13:00-17:30 場所:クリエイティブラボ神戸(兵庫県神戸市)

申し込み・詳細:https://cdf.lne.st/