ホーム incube 研究思考が、世界を変えるものづくりを加速する:株式会社DG TAKANO

研究思考が、世界を変えるものづくりを加速する:株式会社DG TAKANO

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高野雅彰社長独自の視点による製品設計と、町工場の持つ高い金属加工技術によって洗浄力を落とさず、使う水の量を90%削減する節水ノズル「Bubble90」を開発した株式会社DGTAKANO。2016年秋に新卒社員としてDG TAKANOに加わったのがサンカール ゴーダさんだ。急成長を遂げるものづくりベンチャーに留学生が惹かれた、そのきっかけに迫った。
DGTAKANOは常識にとらわれない発想力でビジネス革新をおこすデザイナーズブレイン集団です。その力で高い洗浄効果を持つ節水ノズル「Bubble90」を生み出し、世界の水問題に貢献してきました。技術は世の中の課題を解決できるよう適切に「デザイン」されなければ、その役割を十分には果たせません。私たちは、多様な分野のプロが集い、新しいものを生み出していける組織を目指しています。

高野 ゴーダはインド工科大学を卒業して から企業に就職した後に、東京大学の大学院に入学したんだよね。大学院ではどんな 研究をしていたんだっけ。

ゴーダ 土木系の学科の、様々なインフラ の耐風性の解析を専門とする研究室に所属 していました。中でも私はコンピュータシ ミュレーションを用いて、雪国などで凍り ついた電線の挙動について調べていまし た。風の強さなどで電線がどう動くのか、 どんな箇所が破損しやすいのかを実験で調 べるのは難しいのですが、計算で架空の実 験を通して課題解決に近づくことができる ことに面白さとやりがいを感じていまし た。

高野 シミュレーションをやってきたと いう専門性を活かすのであれば、ソフト ウェア開発企業や大学でのキャリアも考 えられると思うのだけど、その中でDG TAKANOに興味を持ってくれたのはどう してだったんだろう。

ゴーダ ずっと自分の研究経験を活かして 新しいことに挑戦し続けたい、人や世界 に貢献したいと考えていたんです。そん なときに見つけたのがDG TAKANOでし た。特に、すでにBubble90というイノベー ティブな製品で成功したのに、社会課題の 解決のためにさらに別の新しいプロダクト 開発に力を入れていきたいという点に惹か れました。この会社は世界を変えるんだと 感じましたし、その中で自分のこれまでの 学びを活かしたいと思ったんです。

高野 課題を解決して世の中を変えるよう なものしか、うちは出す気がない。そう思っ て僕もDG TAKANOを立ち上げた。その 考えに共感してもらえたのは本当にうれし かったよね。会って話すうちに、一緒に楽しく働けるイメージができたんだ。

ゴーダ 実は社長に会う前、もっと厳しい 人かと想像していました。話してみるとと ても気さくで、熱意に溢れる人だった。社 長の「DG TAKANOにしかできないこと をやる」という言葉は強く印象に残ってい ます。直接会って話したからこそ、感じられたことも多かったと思います。 興味を持って自ら動く。 それがベンチャーで活躍する秘訣

高野 入社したのは2016年の秋だったよ ね。シミュレーションを使って開発を加速 させられないかと思っていたときだったの で、シミュレーションやプログラミングが 得意なゴーダがメンバーに加わったのは良 いタイミングだった。これまでは工場で実 際に作りながら試行錯誤していたから、本 当に助かっている。

ゴーダ 初めて使うソフトウェアで、しか も日本語版だったけれども、使いながらシ ミュレーションの仕方を覚えて、翻訳もし て……。

高野 そうそう、ソフトウェアと解析して ほしい部品を渡しただけだったのに、気が ついたら計算をするだけでなく英語版の マニュアルまで作られていてびっくりし た。指示していないのに、勝手に進めてく れていた。言われていないことでも、自分 で考えて必要だと思ったことを進められる のは、成長速度を大きな武器とするベン チャーで働く上ではとても重要だと思う。 自分が興味を持つことに、どんどん挑戦で きる人はDG TAKANOでも活躍している。 今、興味がある仕事は何?

ゴーダ 今、一番力を入れたいのはシ ミュレーションを使った、製品開発の効 率化の研究です。だけど将来的にはDG TAKANOの経営の部分にも携われる人材 にもなりたい。そのために海外の競合製品 のリサーチなど、研究以外の新しい仕事に も積極的に取り組んでいきたいです。

高野 ゴーダの新しいことへの意欲やチャ レンジ精神も、DG TAKANOに合っている。 日本という異国の地で研究しようと思う留 学生は、やはり挑戦に対する心理的ハード ルが低いんだろうか?

ゴーダ もちろん日本に来るときにも不安 はありましたよ。だけど、新しいことをす るときには心配はつきもの。家族や友人か らの後押しもあって、挑戦してみようと思っ たんです。1つ1つチャレンジを積み重ね て、自分にできることを増やしていきたい んです。

高野 数年で大きく状況が変化するベン チャーでの生活は、ある意味不安の連続か もしれない。だから、それを受け入れて自 分を伸ばすきっかけにしてしまうくらいの 前向きな成長意欲が必要だと思う。  DG TAKANOもどんどん新しいものを企 画して、生み出していく企業を目指してい る。今は節水ノズルを作る会社だけど、数 年後には何の会社かわからなくなっている かもしれない。1つのことに固執せず、社 会を変える製品とは何かを考え続ける仲間 を求めていきたいね。 研究の考え方があれば、 新しいものを企画できる

ゴーダ 自分もいつかDG TAKANOでイ ノベーティブな製品開発をしたいのです が、高野社長はBubble90という画期的な 製品をどのようにして生み出したのでしょ うか?

高野 社会課題を解決する製品の開発のた めには発想力と論理的思考力の2つが必要 だとDG TAKANOでは考えている。まず 発想力を働かせて、世の中の解決されてい ない課題や、課題を突破するためのアイデ アをたくさん出す。そして論理的思考力で 1つの最適なアイデアを見出すところから 製品開発を始めるんだ。技術課題を突破す るのも大事だけど、どんな社会課題を解決 すべきなのか、どうやって解決するのかを 考えることができないと、革新的なものは 生み出せない。

ゴーダ その考え方は新しい研究テーマを 考えるプロセスに似ていますね。論文を読 んだりいろんな人のアイデアを取り込みな がら、いろんな側面から課題を捉えていっ て、こんなことできるんじゃないか、あん なことできるんじゃないかと考えをめぐら せる。そこからまだ誰もやっていないテー マを見つけて、進めていく。新しいことが 生み出せるのは研究者の強みだと思います。

高野 新しい研究テーマを生み出す考え方 を、自分の研究だけに活かしていてはもっ たいないと思う。その思考プロセスは新し いサービスや製品の企画にも応用できる。 だからDG TAKANOでは研究者に企画も やってもらっている。全員で企画する企業 なんだ。いろんな専門性を持った人材を集 めるのも、やはりこれまで世の中になかっ たものを企画するため。みんな違う専門性、 考え方を持っているから、いろんなアイデ アを出し合ってディスカッションができる。 僕ができないことは、どんどん他のメンバー が助けてほしい。そうやって会社が大きく なっていけたらいいと考えている。

ゴーダ いろんな国籍の研究者が集まって いるのも面白いですよね。日本やインド、 それにバングラディシュやブラジル、ポー ランド、ロシア。 高野 本当にいろんな国からやってきた研 究者がいるから、専門性だけじゃなくてそ れぞれの国の背景なども交えながら議論で きる。みんなと一緒に、地球規模の課題を 解決する準備が整ってきている、そんな実 感があってワクワクしているよ。
(取材・構成 鷲見 卓也)

高野 雅彰さん プロフィール
1978年、大阪府東大阪市生まれ。神戸大学経済学部卒業後、 IT関連会社に就職。3年後に独立し、節水ノズルの開発に着手 する。徹底した市場・周辺技術調査、1年以上にわたる製品設 計・試作の末、2008年にBubble90を開発。2010年、株式 会社DG TAKANO を設立した。

サンカール ゴーダ さん プロフィール
インド出身。インド工科大学で機械工学を学んだのち、インドの 国防関連の企業に勤務し、防衛製品の性能シミュレーション業務 に従事した。2014年に東京大学大学院工学系研究科に入学。送 電線の挙動解析に関する研究で修士号を取得し、2016 年10月、 株式会社DG TAKANOに入社した。

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