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フォーラム参加からインターンへ!:株式会社ガルデリア

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株式会社ガルデリア
株式会社ガルデリア

株式会社ガルデリア 平井一帆氏
東京農工大 松岡頌子氏

インターンシップは大々的な採用をしていない企業にこそ、関係性を深め、入社後の即戦力を確保しつつ、ネットワークを増やす機会だが、労力が高くて、必ずしも採用に繋がらない。受け入れる余裕がないという声をよく聞く。採用以外にもどんな価値を企業にもたらすことができるのだろうか。研究者数名、初めてインターンシップで博士を受け入れた藻類ベンチャー、株式会社ガルデリアに話を聞いた。

本人と企業の興味の一致点を探る 
植物の乾燥耐性について博士課程で研究をしていた松岡頌子氏と株式会社ガルデリアとの出会いは研究者向けのキャリアイベント「キャリアディスカバリーフォーラム」だった。松岡氏は理学的な研究から応用への興味が増しており、企業への研究に興味を持ち始めていた。「環境問題の解決に興味があったのですが、直接取り組む企業にはなかなか出会えませんでした。こんな会社があるんだ!と新鮮に思いました。話しているうちに同社が藻類の一つであるガルデリアでリンの回収をしたいという話題になり、私もそのテーマに興味があったので、後日、それがインターンでの仕事になりました」。松岡氏のテーマ設定はどのように決まったのだろうか。指導した平井一帆氏によると、顧客によく聞かれるため、検討しておきたいテーマだったという。「会社にとっても、まだ未開拓なテーマであり、できるできないにかかわらず結果を持っていることが会社の知見になり、本人も興味を持っていることだったので一緒に研究を進めることにしました」。

本人の癖や苦手を理解することが難しかったコロナ禍でのリモート指導
具体的にどのように研究するかについては、平井氏が相談にのりつつ、できるだけ松岡氏自身で考えてもらうことにした。松岡氏は植物の専門性はあったが藻類を扱うことは初めてだったので四苦八苦しながら計画を作った。ようやく計画が見えたころ、緊急事態宣言が発令され、ガルデリア社のラボに通うことができない事態となる。所属大学の研究室の中でテーマを遂行することができるように交渉し、リモートでインターンを遂行することになった。「直接対面していると、その人の癖を把握したり、自分でやってみせたり、ちょっとしたことについて声をかけたりしやすいのですが、それができない中で一緒に研究をしていくことはとても難しかったです」。と平井氏は振り返る。本人の性格を把握したり、苦手なことがわかったりして初めて研究指導ができていたのだと実感すると同時に、時間はかかったが、日々の連絡をチャットツールで行い、月2回ほどのビデオツールでの打ち合わせでなんとか研究を遂行することができた。

研究からビジネスまで、ベンチャーの仕事の幅広さを知る場
松岡氏はインターンシップを通じて、ベンチャーの人たちの仕事の内容の幅広さに驚いたという。「自分で最初からテーマややり方を考える経験も初めてでしたし、研究者はもっと研究の成果にだけに向き合っているのだと思いました。しかし、出口となるビジネスのことまでディスカッションしていて、研究者も研究以外にもいろんなことを知って、考えられる能力が必要なのだということがわかりました。自分の意見を自由に発言できるということも新鮮でした」。漠然と環境問題を解決するために植物を生かした研究を手がけたいと考えていたが、自分のやりたいことをビジネスとして実現するためには、足りないことだらけだということに気づいたのだ。どんな力を鍛えるべきかの解像度が上がった経験となった。

異なる視点に触れ、人材教育の検証になる  
最終的に松岡氏は大手の企業への就職が決まった。必ずしも全員が入社をするわけではないインターン生を初めて受け入れてみて、平井氏はその価値をどのように感じたのだろうか。「会社の仕事だけという頭でいると、異なる考え方に触れることはできない。インターン生がきて、自分と違う発想の人材にどのように伝えようかと考えたりすることが、会社にとっては良いことなのではないかと思います。」と平井氏は振り返る。ガルデリア社は、少人数の企業なので、教育のシステムがまだ確立していない。インターン生にとってどんなことをしたら学びになるか、どこまで指導やフォローをすべきか、時間をかけていくべきか、など教育系の検証にも活かされたという。「これからは違う専門性を持っている人たちも受け入れたい」というように、採用が達成されなくても、企業にとって新たな人材を受け入れるチャレンジの場や、異なる知識や視点に触れる学びの場になりそうだ。後輩から学ぶ、その経験そのものが、企業の財産になっていくのではないだろうか。